ごあいさつ

 

 

 

揖斐で工房を始めて8年目になります。
当初は無垢の木であれば安心安全だと、ウォールナットやゼブラウッド・ホワイトアッシュ等の輸入材などでも家具作りを していました。

岐阜県ということで県内だけでも材料を買うところはたくさんあり恵まれています。
まったくの素人からはじめた私たち、板を買いに行くたびに高いなぁと感じていました。

工房を始めて間もないころ、近所の人に木をもらいました。
やったぁ、ラッキーと…。
直径30cm〜50cmくらいで長さが150cm〜200cmくらいのサクラの木数本。
工房には軽トラックしかありません。どうやって運べばいいの〜、木ってすっごく重い。

結局自分たちの力ではどうすることもできず、また近所の人のお世話に。
ユニックつきのトラックで製材所に運んでもらい板に。で、5万円くらいかかってしまいました。

それを何回かに分けて軽トラで工房に。こんどはそれを雨にあたらないよう乾燥。
板の値段が高いのがわかりました。

 

 

あるとき、たまたままたまた近所に木を伐採する仕事をしている人がいて、近くで木を切ってるから見においでと。
もうびっくり、ほんの少し前にNHKで空師?という職業の人の番組を見て、すごーいカッコイイと思っていたのですが、その近所の人がまさに…。

その人はクレーン車で木を吊るすほうの人で、木を切る人がなんと75才。
樹齢200年のケヤキの木の上で直径30cm以上もある枝にロープを掛け、チェーンソーでいとも簡単に切り、近くの電線にぶつからないようにクレーン車で持ち上げ地面に下ろす。
枝が電線のすぐ近くにあり電線に触れないようにやらなければならないため、一本の木を切り倒すのに2日がかりでした。
ロープを枝のどの場所にかけるのか、あっというまに判断してかけ、切れた枝はみごとにクレーン車に吊り上げられ…。

たまたまテレビで見たばかりだったので、その作業がどんなに大変かを理解していた私たちが見ていても、すごく簡単なことをしているように見えてしまうくらい、2人の息が絶妙、感動でした。
その近所の人いわく、こんな木を倒すことが出来る人はいないんじゃぁないか、と。(なんせ電線すれすれに枝が何本もあるので、へたな人ではすぐに電線を切ってしまう)

何が言いたかったかというと、1本の木を切るのに3人で2日かかる、しかもこの人たちがやって。
しかも大型のユニックつきのトラックにクレーン車が必要。
木を倒すだけですごいお金がかかる。
で、それを製材して、なるほど一枚の板の値段が高いのが自分の目で見て理解できました。

 

 

そして数年、高山の材木屋さんで木を買うようになって、いろいろ教えてもらいました。
無垢材でも特に輸入材は虫などを国内に持ち込まないよう、殺虫剤が使われていたり、木がカビないよう防腐剤につけたりしているものがあるということを教わりました。(たぶん丸太の場合かなぁ、板で輸入したものは?)

その材木屋さんは、お客さんに頼まれれば輸入材も仕入れるけど、基本県内の木を扱っていて、一切殺虫防腐剤は使ってないので、今度こそ本当に安心安全な木で家具・小物つくりができるようになりました。

 

物を大切にすると言うのは簡単、でもなぜ大切にしなければならないのかは、そのものがどういう過程をへて作られたのかを知らなければ難しいのではないかと、一枚の板になるまでの過程を自分の目で見て感じました。
しかも機械のない時代の人はそれを全て人間の力だけでやっていたわけで、大切に使わざるをえないだろうなぁとつくづく思います。

 

 

壊れたり傷ついたりしたら直す、直せて当たり前の時代が長くつづいてきて今、修理できるものが私たちの身の回りにどれくらいあるのか?
壊れたら捨てて新しいものに買い換える生活をしている中で、子供たちに物を大切にしなさいと言ってもできるのかなぁと。そのような生活の中で想像力や感性が育つのか、考えさせられました。

私たちのような小さな工房の強みは、デザインから作成塗装まで全てを自分たちでやるということかなぁ・・・と。
不具合があってもすぐに修理もできるし、作成の途中でのデザインの変更も可能、融通が利くということだと思います。

 

 

 

 

自己紹介
 

林 昭彦 (家具、小物制作担当)

清流長良川のすぐ近くで育ち、川で泳ぎ魚を取り、野山を駆け回って育った野生児。
そのため、ちょっと練習しただけでフルマラソン、トライアスロンを完走できる体力あり。
一番得意は水泳、マスターズではかなりなもの。
自宅から工房まで30kmを自転車で1時間半もかからず行けるため、ガソリン代が節約できる。
子供のころより遊び道具は自分で工夫し手作りしていたため、指先が器用。
物作りが好きで早い。車のプラモデル作りが好き、特にミニとセブン好き。
ついでに車も好き、ミニのバンがひっそりと工房の庭に・・・・。
高山の木工芸術スクールでは、作品が早くできてしまい、ほかの人のを手伝う(暇だから)ため、
やさしいと人だと思われ慕われる。
父は家の田んぼのわらでしめ縄しめ飾りを作り、山の竹を切って竹細工を作るのが好き人間。
山に竹を切りに行くのを手伝っていたため、今でも竹を見ると切りたくなる。
サラリーマン時代は土木設計会社に勤務し、平面図を見ただけで瞬時に頭の中で立体化できる。
人がドタバタ走り回っている体育館の床に転がって寝ることができる。集中力がある。
しばしば頭の中をカラッポにできる。単純、裏表なし。

 

 

畑 晶子 (デザイン、雑貨制作担当)

清流長良川の近くに育つも、アグちゃん(母)が東京育ちでNHKに勤めていたためモンちゃん
(母の母)に蝶よ花よと育てられ不器用ワガママ。
モンちゃんは深川の本所で暮らしていたらしく、自分のことはアタイ、すぐ啖呵をきる。
痩せてもかれても・・・・みたいな。そのくせ、お金持ちのお屋敷に奉公に行ってたそうで、
ご飯食べ終わると、おいしゅうございました、と言ってました。
あと、お天とさまがみてるからも得意。
アグちゃんも、てめーら・・・・・で、三代しっかり受け継いでいます。
品がいいセンスがいいといわれ、自画自賛が得意。
アグちゃんの憧れの学校だった御茶ノ水の文化学院では、これからはロシア語中国語が
しゃべれなきゃと講座を取るもすぐ挫折、が、心から尊敬できる素敵な友達ができる。
その後英会話くらい出来なきゃと、日米会話学院に行くも挫折、が良い友と出会う。
地元に戻って設計会社で仕事をし、CADで図面がかける。
アグちゃんに、同じ後悔するなら、やらないでするより、やってしろといわれ、行動力はある。
超〜軟弱なのにトライアスロンとか出来ると思うことが出来る。そして、やる。
工房まで自転車で行こうと思える。坂道であることを忘れる。そして、行く。2時間半かかる。

 

 

 

 

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