柳ヶ瀬「BAGU」のHPより転載させて頂いております。

吉田正広 & アレン・ファーナム

吉田正広バンド
上石統(tp) アレン・ファーナム(p) 長谷川泰弘(b) 吉田正広(ds)
☆ ☆ ☆
岐阜一のライブ集客力を誇るのがこの「蔵」というお店。 普段はおしゃれな喫茶店&陶芸ギャラリーであるが、隔月ペースで地元のジャズメン中心のライブを行っている。 今回は珍しく地元以外(江戸、紐育)で活躍するジャズメンを招聘。 オーナーである丹羽さんの新たな一手と見た。実はこの「蔵」、僕の職場から徒歩3分という絶好の場所にあり、 昼間などはよくランチを食べに行く馴染みのお店。最近はライブをやっているということが職場内の「その筋」(どの筋?) の人にも浸透しだして今日も偶然同じ職場の人と同テーブルとなった。「お疲れさまです!」思わずかけてしまう職場の挨拶(笑)。 ちょっと不思議な気分だ。

主役はニューヨークで活躍するピアニストのアレン・ファーナム。 今回はドラムの吉田さんのグループで全国ツアーを行っており、蔵ライブはその一環というわけ。 実はこの人、奥さんが日本人で更に岐阜出身ときている。せっかく日本に来たんだしちょっくら「かみさんの実家」に寄っていくか! というノリでこのライブが実現したらしい。実際、アレンは日本語も堪能で最近は「親父ギャグ」なるものまで習得してしまったとのこと。

リーダーでドラマーの吉田さんは95年にサンディ・ブレアというヴォーカリストとともにBAGUで叩いてくれている。 エルビン門下生で、明らかには猿渡さんとはスタイルを異にするドラマーだ(タイコは同じグレッチェだった)。 当初はトリオという話だったらしいが、オーナー丹羽さんが「管を入れて欲しい」と注文をつけた。 それで抜擢されたのが若手の上石さん。ベースの長谷川さんはかなりのベテランで、吉田さんとの息もぴったり。 アレンはいくつかの曲でアレンジも担当しており、?もその中のひとつ。吉田さんはMCで、こう紹介する。

  「えー、この曲はアレンのアレンジでお送りします。あれっ?ここは笑うところですよ」
  「もう一度言います。アレンのア・レ・ン・ジでお送りします…・」(ややウケ)

たった今、判明した。アレンに親父ギャグを仕込んでいるのは、吉田さんその人である(笑)。 演奏はスタンダード中心の組み立てで非常に分かりやすいステージ構成。お客様の反応も上々だ。


first set

1.green sleeves
2.naima
3.nature boy
4.as time goes by (trio)
5.dear old stockholm
6.c.p.a
7.misty (an encore)
上石さん
若手トランペッター、上石さん

アレン
優秀なアレンジャーでもあるアレン!

second set

1.green sleeves
2.naima
3.dear old stockholm
4.as time goes by (trio)
5.nature boy
6.love for sale
7.misty (an encore)

今日の吉田さん、長谷川さんはあくまでバックに徹してあまり表にでてくることはなかったが、 流麗なアレンのピアノを大いに引き立てていた。そして、オーナーの思惑通り、蔵はやはり管が1本入ると盛り上がるようだ。 上石さんの全力投球の熱演は大きな拍手をもって迎えられている。

さて、演奏が終了しお約束のアンコールの拍手を受けて、リーダーが一言、

 「ありがとうございます。アンコールには30曲くらい用意しておりますので、ゆっくり楽しんでいってください」

もー、いかにもジャズメンのジョークである。他にも、1-2.では

 「ジャズ好きの人ならよく知ってる曲ですね。でもそうじゃない人は知らネイマ」

なーんてのもあったなー。こういったジョークはあくまで雰囲気を楽しむためのもの。 ここはニヤリと笑ってサラリと流すのが我々リスナーの心構えというもの。 時間帯にもよるが、個人的にはこの手のシャレは大好き。それにしても30曲のアンコールは長かった。 終了後、アレンが参加している吉田さんのCDを買って帰宅。蔵から家までは徒歩10分、あー楽ちん。また来よう。

吉田さん
えー、アレンのアレンジで・・・
長谷川さん
正統派の渋いベーシストです

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