2006年6月1日

 詩 人

榎本 初によるのページです



   夜天の緒

 アフリカの草原に舞う雪と歌いたい夜があれば、ただ静かに目を閉じたい夜もある。子どもたちの手のひらへ星がこぼれる音に耳を澄ましていたい夜もあるだろう。今宵はいずれの夜なのだろう、未だ知る術を知らないまま、藍色に染め抜かれた太陽はやがて蓮の花を咲かせていく。この夜の正体は明かされないまま、知らないままでいい。ただ今夜もまたあなたに、おやすみなさい、と言えることが、白妙の大空へ渡る祈り、きっと大切なことにちがいない。
 おやすみなさい。

                  二〇〇六年一月二十一日
ナカネコ!
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