2005年10月7日

 詩 人

榎本 初によるのページです



   麦藁帽子

 海猫の翼が太陽へ伸びていき、潮騒を包んでいく。
 白いコットンにくるまれた少女が、赤いリボンを結んだ麦藁帽子を眉深にかぶっていて、銀色の波、湧きあがる雲に濡れた空の袖先を掴んだまま、砂浜の貝殻を拾わない。終わらない晴朗へまっすぐ伸びる背中。
 麦藁の、空と土の、やわらかな乾いた匂い。

                  二〇〇五年八月二十一日
ナカネコ!
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