2004年2月24日

 詩 人

榎本 初によるのページです



   

 トパーズブルーのサーコートを翻す、ランスがカンバスを、薄黒い油彩絵の具に無雑作に塗り潰された空を真直ぐ射抜く。吐息のリズムを確かめて、例えばラテンの呼吸を取り出して南国の宝石を抱く。風が尖っていたって構わない。
 太陽の白い利剣に堪えられるのか、涙を堪える術さえ忘れてしまった苔を削ぎ落としてひとつ一つの単位を構築していく冬の眼差し。二月の光は命を突き刺す。八月の炎は肌を焦がすだけ、撫でるだけ、水を浴びて燥いでいればよい。二月の光の許で水を浴びる者はいない。白い光に目を塞がずに見つけられるのか、石の色を。二月の光は命を突き刺す、咲く華を呼び覚ます。
 希望の城郭を抱いた全身に漲るリズム、頬を赤らめながらブラッサム。春の受胎を確信する碧玉の瞳が駆けて、今、駆けていく。

              二〇〇四年二月二十三日
ナカネコ!
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