2004年1月1日

 詩 人

榎本 初によるのページです



  スクリーンスタンダード

街路樹はその場に残されたまま光だけが
車の進行方向とは逆のほうへ飛ばされていく
二階の窓のワイヤがクロスした曇りガラスを
スクリーンにして枝葉の影が走馬灯のように
駆けていく影の主が公孫樹いちょうだと判るのは時々
駆けていくのが止まるからでヘッドライトが
停まるからでそれで近くに信号があるのだと
解る

信号があれば横断歩道があって待つ人渡る人
があるのだろうが東西南北合わせて十二車線
人の声など聞こえなくて交差点を少し外れて
オモチャ屋があるのだがそこから子ども達の
声が賑やかで楽しい

              二〇〇一年九月二十九日
なかない猫・バナー
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