2003年2月23日

 詩 人

榎本 初によるのページです



  ズークリスタル

虹の根元からプリズム明日へ歩いていく高く
伸びていく空遠い首キリンが目を細めていて
九月の雨が冷たいなんてことはこれまでにも
言い古されてきたことであってそれは夏の日
の過ぎた情熱を冷ますためというのではなく
梅雨どきの汗流れていくよりもたくさんの涙
落ちていくことを人は知らず知らずのうちに
肌で感じているただそれだけでありステディ
熟していく手をつなぐチケット重ねてゲート
をくぐり素直じゃない口きかない意地っ張り
たてがみの形をした風独り唱いライオンが目を瞑り
左手離さない自動巻腕時計忙しないいとなみ
木々の中クスクス笑わない話さない絡まない
絡めてる指と指の間こころ探りながらほぐれて
澄みわたりクジャクの羽など要らない瞳の奥
ひかりの泉を求めていき萬の喜びヘ届いた時
秋晴したがえてゾウが佇んでいた小さな瞳で

              二〇〇一年九月十一日
なかない猫・バナー
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