2004年1月1日

 詩 人

榎本 初によるのページです



  虹色列車

あなたの肌のぬくもりが伝わるということは
なくて伝わるということはなくて言葉はただ
ぬくもりではなくぬくもりの存在そう存在だ
そんなことを伝えるに過ぎなくてそんなこと
知ったところでやさしくなれるはずがなく
頬笑むことはなく空は青くなれないでいて
僕は頭ばかりがでかくなって天秤を失う転ぶ
頬にアスファルトの灰色が広がり雨脚が愈愈いよいよ
激しく僕の背中を蹴りつづけていく

あなたを抱きしめあなたに抱きしめられて
はじめてぬくもり嗚呼なんてやわらかいんだ
ぬくもりが解るのであり伝わったのではなく
僕自身が向かっていかなければならなかった
のでありそのときあなたという人が僕という
人のなかで呼吸をはじめるのでありそれは
宇宙と宇宙の融合であるとも言えてそれは
どこまでも外へ外へと広がっていく宇宙
ということではなく宇宙は生まれたときから
全てを包みこんでいるのであってやがて
晴れわたりひかり七条ななすじに頬が染まり線路が
あなたへ列なっている

              二〇〇一年一月二十五日
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