2003年2月24日

 詩 人

榎本 初によるのページです



  秋晴

大漁のいわし雲に漁夫が胸を躍らせるという
のは本当のことであって男たちは勇んで海へ
漕ぎ出していきそれは漁りであってもいいが
漁りというのが群れた魚を追って尽きるの
ならば労働に過ぎなくて胸を躍らせるなど
なくて漁りというのは実は海から空へ翔ける
ことでありいわしと戯れて雲を追いかけて
帰る道すがら雲が一つの空すら持っていない

              二〇〇〇年九月二十六日
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