4ever【ふぉおエヴァア】 詩人ニシさん作成

   四行連詩〈光の城〉の巻
                木島 始さん
                榎本 初

金色の朝が細胞を遍く覚醒する
祈りの声が喜びを開くのであり
衣なんて脱ぎ捨てて空いっぱい
両腕を広げて僕は光の城となる
                榎本 初

ふいっと光の城を出てから
真暗闇の不安に慣れようと
暗記暗算をくりかえすうち
リズムが道しるべと気づく
                木島 始

リズムが調べと重なりゆく
邦楽洋楽をくちずさむうち
胸中の楽園を語り行こうと
えいっと爪さきほうり出し
                榎本 初

蓮の根の穴をくぐりぬける
晴朗の気を身につけるなら
楽園喪失の群に交じる方が
幸だ命の息をふっかけられ
                木島 始

Tシャツの真白を泥まみれ
汗まみれにして駆けていく
獲得したいのは君の頬の赤
情熱が一枚の空編んでいく
                榎本 初

わたしが編みたかったのは
開くたびに聳り立ってくる
魅惑しやめない声また声や
触り取れない夢の織りもの
                木島 始

夢を饒舌に語れない不器用
ただ勤しんでいくのであり
信じていて絹糸つむがれて
裸眼及ばぬ地平の端を結ぶ
                榎本 初

やや地平に招き手が現われ
帰り道ありえない誘いかた
行きは良いよいは万人承知
そうだ人生に反復は恩寵だ
                木島 始

大空に甘えて反復に痺れて
掠れすら残らない飛行機雲
夕日へ加速し収束していく
鼓動響く胸元から鳩を放つ
                榎本 初

響きあう浸透があってこそ
発語の繋がりに詩が生れる
跳びこみを漣にする湖の瞳
初対面の脈博を奏でたい琴
                木島 始

脈博の声に耳を欹てながら
佇まない歩み寄り扉叩いた
今だ錠が開かれ涌き出る泉
眩しくて眼差し虹を越えて
                榎本 初

眼差しは訪れたい光の城を
闇では安らぎに拷問が交り
塵世の浮沈を共にしようと
近づく湧泉の響きを心待ち
                木島 始


ナカネコ!