モビールを作ってバランスを体得しよう


モーメントの授業はむつかしいと感じられている方がいますが、実用的で生活に密着しており楽しく学べる教材だと思います。
教師の中にも「高校時代に受けたモーメント授業から物理が嫌いになった」という声があり、どうしても「距離(腕の長さ)×重さ(力)」の数式に縛られてしまう傾向があって、モーメントを学ぶ最初の感動を子供たちにうまく伝えられていないことがあります。
 小さなサイズのくぎ抜きと大きなサイズのくぎ抜きで「くぎ抜きを体験」することから始まる授業もモーメントを体得できるいい教材だと思っています。
今回紹介する授業案「モビールをつかってバランスを体得しよう」は工作しながら自然にモーメントを実感できるものだと思います。
 中高校生を教えていた現役教員時には仮説実験授業を参考に授業をしていました。『天秤棒の支点を左右にずらして棒の重心が支点にない場合』とか『天秤棒の中におもりを仕込んで“もうけ”をたくらむ魚屋さん』などの「予想」「討論」「実験」は、教師である私にとっても興味深く、生徒の間でも議論沸騰した楽しい授業でした。この仮説実験授業ではモーメントを考えるとき、棒のおもさや重心の位置が大事な要因として存在している△内容でしたが、今回紹介する授業案は感覚的に「つりあい(バランス)」を小さな子供たちにも感じてもらえるのではないかと思っています。
 「距離(腕の長さ)」と「重さ(力)」を一体的に感じられれば、モーメントの授業は次のステップアップにつながるのではないでしょうか。

【第1限目 モビール工作】

(図1)

中略

【第2限目 モビール質問】

(図8)

出来上がった作品を各人の机にかけておき、先生が作ったモビール(図8と全く同じサイズのもの)を使って、質問コーナーの時間になります。プリントには支点から作用点までの距離が示されています。
T:みなさんがそれぞれ作ったモビールではなく、実験のために用意されたモビールについての質問です。(図8)

【質問1】

 Cの「中スーパーボール」(図9・C右)に、ほかのスーパーボールをぶら下げます。傾く竹ヒゴの記号に○をつけましょう。いくつ選んでもいいです。
あなたの予想{A、B、C、D}
実験結果を見てから記入する欄です。傾いたのは{ 、 、 、 }(以下この項省略)
 最初は何も説明しないで、工作で感じた「バランス感覚」を手がかりに答えてもらいます。
T:さあ実験。(図9)

(図9)

K:ああー、傾かないところがある。
H:1個間違った。
 質問1の答えはCとDですが、子供たちの答えにばらつきが出ます。でもこの後、質問を繰り返していくと、だんだん正答率は高まっていきます

後略

まとめ

 ○つりあう=右に回転させようとする力と左に回転させようとする力が同じ
 ○回転させようとする力=おもりが重いほど大きく、支点から長いほど大きい
 ○遊園地のシーソーと同じ原理です
 ○これを「モーメント」=「トルク」といいます。

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