A.I. ARTIFICIAL INTELLIGENCE

公開当時、僕の周囲では、賛否両論の意見が乱れ飛んだ。
その当時、僕は映画(というか洋画)に全くと言って良いほどに興味が無く、論争に参加していなかったのだが
熱く議論を交わしていた友人達の争点は、至ってシンプル。
感動したかどうか。


あの当時、まだまだ未成熟な脳味噌だった彼等は
内容の深さ云々は感動の涙に表れる物だと思い込んでいたらしい。
僕はと言えば、映画っつったらアニメ関係(ジブリ含む)だろ〜とか考えてたので、論外であります。


さてこのA.I.
なんと、当時の(僕の周囲での)評価はイマイチ。
二人の女子だけが、自分達は泣いた、と主張していたのでした。
他は、良い話だったけど別に泣くこたぁないよね〜みたいな反応。
泣いたと主張する二人の内の一人が、邦画以外だと大抵、映画館で爆睡してしまうという事実も手伝って
あれはそんなウルトラスペシャルな作品ではない、と、その場での結論が出たのでありました。


これを鵜呑みにした訳でもありませんが
僕は脳味噌がそれなりに成熟する迄の間、この映画をレンタルもせず、ほぼ無関心に過ごして来ました。


と〜こ〜ろ〜が〜どっこい!!
観てみましたら・・・
おいおいおいおいおいおいおいおいおい、これは・・・勘弁してくれよぉぉぉぉぉぉぉ〜。
僕、初っ端ら辺から既に涙腺が活発化。
序章で泣いてはいかんいかん!!と思いつつも、ぐすんぐすん。


誰だこれが泣けねぇとか言った奴はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
人それぞれですが・・・
これ、え〜、ちょ、僕ぼろぼろんに号泣しちゃったんすけど・・・。
確かに僕の涙腺は緩い、本当に心底、緩い。
ですが!!
僕の姉は、家族の前であっても絶対に泣かない人間なのです。
どんなに良い話であっても、泣くのを堪えるんです。
そんな彼女がですよ?!
ほろほろ泣いているではありませんか・・・!!
・・・これは本物です。


高い人工知能を持った子供型ロボットが、母の愛を求め続けるお話。
息子が意識不明の植物?状態だった夫婦は、人工知能搭載の最新ロボットを引き取るのですが
もう見た目は人間そのものですし
情も湧きます、うんうん。
どっか〜んしかし(僕の)想像以上に早く実の息子が目覚めたからさぁ大変。
二人の息子を同じく愛そうとするとは違って
父の方は、危ないロボットは返品して廃棄して貰おうって考えだ・・・。
母は仕方なく息子同様のロボットを森に捨てるのでした。
人間になれればもう一度母から愛して貰える!!と思い込んでしまっているロボット、旅に出ます。
架空の魔法使いを探し求めて・・・。
そうこうしてる内に2000年の時が経過。
人類はどうやら滅亡。
細長い宇宙人達が滅茶ナイスな奴らで、母に会いたいという願いを叶えてくれるのですが
甦らせた人間は1日しか生きられず、眠ればまた死んでしまうとのこと。
それでもたった1日でも、やっと母と過ごせた愛に溢れた時間に、ロボットは微笑みながら
彼もまた眠りにつくのでしたとさ。


主人公を演じるハーレイ・ジョエル・オスメントの、不安げな表情が何とも言えませんな。
な、なんだよその顔・・・、って感じです。


スティーブン・スピルバーグ(以下スピルバーグ)、好きだぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!!
付いて行くぜ!!
嘘か真か知らないが、撮影期間が短くてしかも低予算で有名だそうですね。
すんすん撮影が進むのは、俳優陣の演技のやり直しなどを余り求めないからだとか・・・。
嘘だったとしても構うもんか、貴方はクールだ!!
スピルバーグ作品の全てがお気に入りなのではないですよ、当然。
でもスピルバーグ、好きなのだ、尊敬です。


そしてこの作品に宿るスタンリー・キューブリック(以下キューブリック)の魂。
キューブリックが映画の構想をスピルバーグに打ち明けたのは、本作だけだったそう。
もうA.I.とスピルバーグは運命の赤い糸で結ばれてたんすね。
結んだのは勿論キューブリックです。


2000年の時が経つ、とか、突拍子もない奇抜でスタイリッシュな展開はキューブリック的であり
ストレートに(感動させる)良い画を作り上げてるなぁってとこは、スピルバーグ味。
二人の名監督の時を超えたコラボに、本編とは関係なく、爽やかな涙が流れます。
エンドロールラストでの、キューブリックに捧ぐ、の文字にグッと来ました。


冒頭から悲しい境遇で不憫でしゃぁない主人公に、僕は何度も、勘弁してくれ〜、と、洩らしました。
序盤からどんだけ泣かすのだ!!勘弁してくれ!!という意味で。


唯一の救いは、スーパートイテディの存在ですね。
矢鱈滅多に賢くて愛のあるテディベア。
あの子は〜もうねぇ、可愛いですよ。
動きがプリティー。
しかも良い奴。
ひょこひょこ歩く姿に、渋いクールな声。
ボス!!可愛いであります!!欲しいであります〜!!


それにしても
人間に近いロボットを作ろう作ろうとして、いざ出来てみれば
永遠に愛を捧げるプログラムって・・・人間って恐ろしい〜な〜。
リセットボタンとか作れば良いじゃないかよ。
一度設定したら、その親への愛を一生背負う・・・親が死んでしまっても、それを背負って生きて行く。
人間は何がしたいんだ〜。
人間に近い物を目指しつつも、より一層ロボット的にしちゃってる気が・・・。


映像美も堪能。
海?取敢えず水中、の、廃遊園地が幻想的で良かったです。
未来的お伽話っぽくて。


甦った母の言う、ずっと愛してたのよ、にも感動しました・・・ずっと、そうずっと。


直接の知り合いでもないのに、僕は確信しました。
キューブリックの魂は、スピルバーグに受け継がれた、と。
やっぱし僕は!!
スピルバーグ!!


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