義経

年代や地名は相変わらず覚えられないものの
戦国時代や三国志や幕末は
ちょこっと、歯型の残らないほどでありますが
本読んだりしてみたり。
覚えられない上に何が正しいかも分かりませんけど
歴史ってのは面白い。

源平の争乱は今迄全く触れてこなかった故
これっぽっちも分からなかった時代だったのですね。
名前とかややこしいですし
そもそも読めないですし。
それに親の代のまた親の代・・・と
いつから始まってんだこれ?!
しかし丁度アクション的なゲームがあったぞやったあ〜ってわけで
「義経英雄伝 修羅」やって
本を2冊ほど読んで
うむ、僕は平家が好きだな!!と確信した後の
本作。


なんてシンプルなタイトルでしょうか。
元々僕は義経自体には特に思い入れがなく
しかも毛ほども同情心を持っていなかったのですが
読後は
偉大なる司馬遼太郎先生の魔術にまんまと
義経への憐憫の気持ちが多少沸き起こりましたよ。
なんか可愛いかったなあ。
でもがっかりするほどお馬鹿さん。
義経への、可哀想に、と比例して
頼朝への同情が深まりますね。
兄さんの苦労を分かってあげておくれよ。


司馬先生糞っ垂れ流石で御座いますうううおおおおおお。
最初っからず〜っとず〜っと面白いんだもん、お〜いおいおいおい。
いやマジでお前誰だよな人物から入ってゆくのに
なんでこんな面白いのだ??
そしてこの熱さは??
ああ、ひとりでに涙が〜。
電車の中でも食堂でも、僕の目頭はヒートしてぐずぐず。


涙腺ゆるゆるな僕を泣かせたところで、何の証明にもなりませんね。
それでも熱いもんは熱いのです。
先ず最初にはわああああああっとなりました場面は
四条の聖こと鎌田正近
彼が噂に、女のさらし首のことを聞きまして
行ってみるとそれは確かに
彼と暮らした嬉野齢17ほど)の首だったのでした。
この嬉野は正近と一緒に居たが為に死んでしまったのですが
正近はまさかそんなことになっていようとは思わなかったのですね。
それで正近は泣く。
自分の身勝手の為にこんな姿になり果ててしまった嬉野が
彼女の生のみが儚く思えて。
司馬先生の簡潔な文章が煌めいているぜ。
嬉野の死ぬ場面もさりげなく壮絶。


余談ではありませんが
どんな宗教でもこれは共通なのでしょうか。
は・・・
いけませんね〜!!
後の義経、遮那王は、うん、可愛かったのでしょうね。
まあしょうがない。
うん・・・成長した後は彼もかなりの好色家っぷりを発揮しましたから
つまり世界はそんな風にして回っているってことですかね〜。


義経はまあなんとも可憐なのだそうで
女人からみても可愛い様子であるみたいだし
構ってあげなければ、と思わせる頼りなさが魅力
彼の性格面での欠陥はそのまま彼の魅力となっているのでありますね。
あの扇を射落とすエピソードで有名な
那須与市(この子の名前は、結局どんな字なのか・・・)。
彼もまた義経に魅力を感じるわけですが
お前こそ良い奴だし、腕もあるし、なんか可愛いし。
実在したかも怪しまれているけど
居ても居なくても与市は良い奴さ。


あ、牛若丸弁慶はちょっとも戦わなかったね。
笛吹いてないし(この義経、吹けなさそう)
っつ〜か牛若の状態じゃあないしなあ既に。


う〜ん、この小説は何気ない文章の一つ一つが何故かとてつもなく物悲しい。
こいつ、死ぬんだなあ、と考えると
こんなんだから死んでしまうんだよなあ、と考えると
ってのはどんな小説やら漫画やらでも同じことではあるのですけど。
それにしても。
愛すべき死者達!!
本編中、義経は繰り返し繰り返し何度、儚い、と表現されたことか。
しかし彼だけではなく
僕はもう、木曾義仲に至っては登場と同時に滅びの影が常に寄り添っているようで
うう、義仲ああ〜。


無邪気で人懐っこい田舎者、北陸の飛将軍
木曾義仲が僕を泣かせる、おーおーおー。
公家の言うところの位打ちに義仲は遭うのですが
それは、征夷大将軍に任ぜられる、というもの。
自らの滅亡を覚悟していた義仲は
それがただの形式だけのものだと分かっていながら
それでも感激する。
後白河法皇は、誰が見ても没落の運命でしかない義仲に
およそ逆の名前を授けるのです。
旭将軍
僕はもう、この名前だけでおろろ〜ん。
僅か半年ほどの栄華。
信じられないくらいに呆気なく、彼は小説から退場してしまうのですが
その潔さこそが爽やかな感動をもたらすのです。
省略省略じゃ〜。


義仲が滅んだとなると、次は平家ですね。
司馬マジックによって義経が愛すべき愚か者であるようにしか思えなくなったところで
僕が平家に肩入れしてしまうことに変わりはない。
この本では、笑いたくなるほどに重衡が存在しておりませんが
僕が平家に肩入れしてしまうことに変わりはない。
さて、平家といえば平知盛
総大将は臆病で無能な宗盛なのですが
これ読んでると、平家はこの宗盛の為に負けたと言って過言ではないような
そんな気がするくらいに、こいつ、こいつ〜。
宗盛は実は清盛の実子ではないという噂があって
それによると、本当は傘職人の子である、という。
どうだか知らぬが。
宗盛と知盛の会話を読んで、歯軋りせずにいられましょうか?!
ばっか気にしおって・・・。
屋島は落ちたのではないな、宗盛が捨てたのだから。
そんな宗盛が居てくれたからこそ、平家の悲劇的な場面が
よりドラマティックに彩られたわけですから
あいつもまあ・・・役に立ったのだ!!


知盛が僕を泣かせる、ぐほ〜。
壇ノ浦での最終決戦を前に
どうにか逃げて生き延びることを思案するのに夢中な宗盛に
呆れ、言葉を詰まらせる知盛。
平家には最早、寸土の土地もない
と叫び、声をあげて泣くのです。
尚も逃げる手立てをばかり口にする兄に対して、知盛は叫ぶ。
無残やな
と、万感を込めて。
知盛いいいい〜!!!!!
そして宗盛きっさまあああああ〜!!


名こそ惜しめ、命を捨てよ。
それが正しいかどうかは別の次元で考えねばならないでしょう。
綺羅を飾る、美しくある、武の中にそれらを見出す。
犬死はしちゃあいけないですけど
生き永らえるよりも尊い死に様ってのは
僕には縁遠いことですが
崇拝にも似た憧憬を抱かせてくれますね〜。


既に敗北の決まった戦場にて
能登守教経が僕を泣かせる、じょびじょば〜。
凄まじい働き(殺戮)をしている彼に対して
もう負けは決まったのだからあまり罪を増やすなと知盛が声をかけたところ
死ねないのだと言って振り返った顔が、意外にも泣いているようなそれだった
というだけで。


武家としての平家がこうして滅んでしまうと
僕は淋しくて、もう義経どうにでもなれという気にもなりかけましたが
あの子は本当にどうしたものでしょう。
何故そんなにも分からないのか・・・。
僕も疎いけど彼の比じゃないぜ。
犬ころみたいでいつまでも子供らしいこの若者。
酒漬けにされた彼の首と対面した時
頼朝は本当はどう思っていたのでしょうね。
悪は、ほろんだ
とは、どういう意味で言ったのでしょうね〜。


弁慶の立ち往生も何も無いですよ。
このあっさりとした幕のひき方。
かっこいいなあ!!


今こうして文を打ってみて
頼朝についてあまり喋っちゃない僕ですが
あの子、内蔵やられてないかね、心配だ。
ストレスで。
彼の立つ足場の危うさ、脆弱さに、弟は気付いてあげられなかったのですね。
義経も大変だったけど
頼朝も苦労したよ。
それに、頼朝、何気に可愛いよ。


さて、コーエーさんが源平無双を作ってくださるのを夢想しながら眠るか。
義経英雄伝は面白いし大好きなのですけど
あれ自体、随分と前のゲームですし
それに改善の余地がたっぷりあったような気がする!!
まだまだ良くなる!!
もっともっと!!
この際どこでも良いや。
平家もきちんと掬いあげてくれる形の源平的アクションゲーム、求む。
シリーズ化しなくても良いので・・・
一本物で良いので・・・
ジ〜ザ〜ス!!キャンユーヒアーミー??!!!


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