エンド・オブ・ザ・ワールド。。。ON THE BEACH

危うく原題に惑わされそうでした。
・・・ビーチ??
なんか、ビーチって響きが面白くて・・・
すまん、ビーチ。
元は小説で(邦題は「渚にて」)、50年代映画化されております。
本作は2000年テレビ映画だそうです。


内容はかなりへヴィーでしかも3時間越えなのですが
さっくりと観れちゃいます。
涙腺ずたぼろにされましたがね。
うわあ、やめろう、僕はそういうのに弱いんだようっ
というのがちょいちょい盛り込まれててね・・・
やられましたよ!!
僕のような、もろに感動する作りのものに弱い人間は
せき止めることなどできないのさ!!
涙は勝手に出てきやがるんですもん。


爆発によって世界が終わろうとしている。
潜水艦の艦長である主人公は、特殊任務を任されます。
誰がどう考えても絶望的な場所へ向かって
そこが再び人が住めるようになっていないか、生存者はいないか
調査して来いや!!
というのは
その有り得ない場所から、メールが送られてきたから。
誰かが操作している筈、つまり誰かが生きている筈。
科学者?やらがたてた仮説によると
ああだこうだでこうだから
もうそこは危険じゃなくなってるんじゃないか
って無責任な話だな〜も〜。
放射能はどんどこ広がっていってるんだぜ・・・?
とはいえまだ平和に暮らせている人々は、希望を捨てずにいたりする。
ネットでもこんな話があってね、とか。
楽観は悪いことじゃないと思うけど事が事なだけに・・・
いや、大丈夫だと信じたいわけですかね、人間は。
今回の任務に同行する若い軍人さんの妻が、そう。
希望を持ち続けなきゃ、と言って、家を改築?しているのです。
妻と子供の為にも、彼は行くのですね。
こういうのを、真の勇気という。
旅の途中、目的地から受信するメールは
添付されてる動画は開けず、文字化けが酷い。
部分的に読めたのは、「希望を捨てるな」。
さて、行ってみましたが
放射線濃度は・・・駄目駄目じゃん!!
これ、無茶だろ・・・上陸とか・・・。
全身防護服で固めて、よいしょ、様子見て来るね〜。
これは・・・死の町っていうより、町が死んでいる・・・。
じゃあ一体あのメールは誰が?!
開きっ放しのパソコンに太陽光があたってソーラーパワーで自動的に
はあああああああ・・・がっかりどころの騒ぎじゃないよ・・・・
希望を捨てるな、というのは
当時ニュースでお伝えする予定であった
鯨だかイルカだかの安否についてで、たはーっ。
乗組員一同・・・やりきれないよ全く。
結構な速さで世界は終わりに向かっていて
折角ここまで危険を冒して来たのだし
懐かしの故郷だもの・・・
そうして一人、防護服も無しに船を降りてしまうのでした。
ともあれ潜水艦は戻ります。
若き軍人は愛する家族の元へ。
残された時間は少ない。
っつーかもう無い。
被爆?によって弱る妻と子、決断せねばならない。
町は散らかり(ゾンビものでもそうですが、町は散らかるものですね)
人々は列をなして安楽死を求める。
艦長は、「海で死にたい」という部下達(瀕死)に呼ばれ彼等の元へ。
しかし最終的には愛する女性の元へ。
海の見えるあの場所へ。
完。


艦長を中心に、登場する人物達がキャラ濃くてですね〜良い。
区別がつく!!
これは当たり前のことじゃあないのですよ。
僕も姉も、群像劇ですら多々、誰が誰だか分からなくなるのです!!
それが無かった・・・!!
皆、人間くさくて、良いんだなあ、うん。


艦長はぱっと見、固そうで真面目そうで
死んだ奥さんを今でも愛していて
それでも新しく生まれた愛をちゃんと大切にします。
核ミサイルをぶっ放せと命令があった時
彼は、ボタンを押さなかった。
何故こんなことになった?
誇らしかったことは全て、何だったのか?
主人公的ですね。
ヘリコプターを無茶な操縦したり、と、お茶目な一面も。


艦長が惹かれた女性は、派手でなかなかに奔放そうな人。
彼女もまた艦長に惹かれます。
若き軍人さんの妻の
派手な姉の陰でいつも・・・とが打ち明けたりもします。
細いけど逞しくて、女性特有の弱さと強さを持った人。
つまり、これぞ女という女。
妹とその子供の、平和そのもののような光景を眺めながら放つ言葉は
そのままリボンがけして、戦争愛好家さん達に贈りましょう。


故郷で死にたいと言って船を飛び出す乗組員。
貴様が僕の泣きのスイッチをオンにしてしまったのだ。
その直前までだってもう充分に
変わり果てた故郷に絶句する皆の表情だけでもう充分に
僕は目頭が高温に達していたってのに
貴様、そこで飛びだしちゃうかね!!
留まる彼と、帰ってゆく皆の別れが、また、ううおおおおおお〜ん。
小さなボートでコーラ?飲んで
まったり死を待った彼が
なるべく苦しまなかったと信じたい。


町は荒れ、無法地帯と化してしまった。
暴徒怖いよ、危ないよ。
でも、それはまだマシな状態だったのさ〜。
映画の終わる頃には
人々は最早、力もなく気力もなく
ぼんやりと立ち尽くしていて
まるでそのまま、自らの墓標かのよう。
最後に残されるのは、ただ、静寂なのですね。


海で死にたいと願った者達は、立っていることもままならなさそうなくらい
ぼろぼろで
艦長が祈りの言葉を口にしている間
しゃがんでいるのも辛そうだった・・・見てられぬ。
ほあああ艦長の祈りがまた俺を泣かせる。
どうか、この死に意味がありますように
・・・畜生ばっきゃろ〜。
僕はさっきから、世界が終わると書いておりますが
それは人類の滅亡という意味なのです。
僕等が生きられない環境下にも負けない生物が繁栄するとか
そんなことは分かりませんが
僕等(人間)にとっての世界は、確かに終わってしまう。
この大き過ぎる過ちから学ぶべき者は皆、死んでしまうのです。
この死に意味がありますように、なんて
心が震えます。


この映画
ジョジョの7部じゃないけど
人が皆、帰りたがっている。


映画のラストにが出てくるのですが
良い雰囲気で気になりました。
原作の方も詩を引用してるのですね、なんたらって人の。
タイトルもそこから拝借したとか。


関係無いですけど
兵器にも草花が宿ると言いますね。
僕はこの言葉、好きです。
僕なんかが好きだと言うと申し訳無いような
綺麗な言葉に思えます。
ちょっとラピュタとか思い出しますね(ラピュタも好きです、いえ〜い)。
でも植物にも色々あるからな。
どの世界にも問題はあるものさ。


今の日本の状況がこんなですから
観た後に
深刻な気持ちで思慮の森へ出掛けたくなるやもしれませんが
僕は映画として楽しみました。
登場人物達のお陰でしょうか、面白いんです。
面白いのと同時に
取り返しのつかないことにならなきゃ
人間はつい気付かないふりをしてしまうものだな
と。
僕等は
幸せの面影を残しながら、いつでも簡単に
消えてゆくかもしれないのですね。


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