オネーギン

「椿姫」とか「カルメン」とか
タイトルは知ってるけど知識皆無だなあ・・・
ってなわけで
有名なオペラの内容をちらりと解説してくれてる書物を借り
エンジョイ読書。
ふむふむへ〜、ですよ。


その時に、「エフゲニー・オネーギン」というオペラも載っておりまして
登場人物の簡単な説明など読んでみまして
これは・・・
このオネーギンさんとやらは・・・
もしかして僕の好きな人種なのでは?!


そうと気付けば行動は早い!!
早速オペラの元となった、プーシキン韻文小説を捜索。
原文は韻を踏みまくった詩のようなものだったのでしょうけど
僕が読んだのは、通常の小説のような形態に訳された、読み易いもの。
ページを見開いた感じも、すっきり、綺麗。


日々に退屈しきって魂腐りかけの貴族、エヴゲーニイ・オネーギン
口は達者で財産もあるけど何をする意欲もない若者
といいますか、人嫌いの気のある引き籠り。
社交界から離れて田舎暮らしを始めてみるものの
美しい自然ですら彼の心を長くは惹きつけていられず。
人と関わりたがらず、奇妙な格好で平気でうろつく変わり者のオネーギンにも
レンスキイという夢見がちな友人ができました。
この青年は詩人で、若い情熱でいっぱいで
恋人のオリガに夢中でした。
来る日も来る日も飽きもせず、オリガを讃える青年の言葉を
オネーギンは、見守るようにして聞いておりました。
オリガには姉がおりまして
これが明朗快活健康可憐な妹とは真逆な性質で
占いやら怪談やらに興味のある、どこか他人のような・・・
彼女の名前はタチヤーナ
オネーギンに一目惚れしちまった彼女はいてもたってもいられず
正直、急にそんな手紙貰ったら怖い
としか言いようのない恋文を、間接的に、愛しの君に届けます。
初恋ってやつですね。
で、オネーギンは彼女に直接お返事します。
色々と人生の説教めいた部分もありながら、つまるところ
今、お付き合いはできませぬ、と。
とはいえ、オネーギンは彼女に惹かれていないわけでもなかったのですが
うん、だから、彼の言葉そのままじゃないですかね。
純粋なる乙女ですから、彼女は当然
泣く。
そんなあれこれがあったっつーのに
友達のレンスキイが行こうっていうから
オネーギンはオリガとタチヤーナの家を訪ねることに。
やっぱ案の定だよ、タチヤーナの様子、あれ、ほれみろ。
やんなっちゃうよ。
も〜こうなったら、レンスキイにささやかな復讐をしてやろう。
オリガといちゃこらしちゃうもんね〜。
ところが、そんな冗談めいた遊び心など!!
若く、恋に盲目な青年には!!
通用しなかった!!
レンスキイ、本気の激怒、失望。
こうなったら決闘じゃ〜。
ばきゅーん。
決闘に負けたレンスキイは、悲しい骸に。
しかもオリガは彼の死を嘆きながらも
新たな恋人と共に去ってゆきました・・・女は強い!!
親友を殺害してしまったオネーギンの心にはかなりの負担が、そりゃそうだ。
その地を離れ日々を過ごしておりましたある日
あ、あれはタチヤーナ?!
彼女がこの騒々しい社交界?!に
馬鹿な!!
いえ、紛れもなく彼女です。
ただ、オネーギンを見ても全く動揺せず、堂々とした女性へと変貌。
旦那も居まーす。
なんだかオネーギン、彼女が気になって仕方が無い!!
でも彼女は素っ気ない!!
オネーギンは恋にやられて病み衰えてゆきます、しよしよしなしな。
で、恋文も書いちゃう。
遂に彼女と二人きりになれましたが
泣いているタチヤーナ。
もうどうにもならんわ貴様なんか腹立つくっそー
今でも貴様が好きだよ畜生だけどどうにもならんっつーの
とにかく目の前から消え失せてくれやとっととしやがれ糞貴族。
まさかこんな台詞を吐くわけないですよ。
とにかく彼女は、どうしようもないので、彼を拒絶するのです。
で、出てゆく。
崩れ伏せるオネーギン。
其処へ彼女の旦那が・・・
終幕。
どうなったかは皆さん、お分かりですよね、みたいな終わり方です。


オネーギンの出番がもっとあっても良かったのにいいいいいいい
と、悔やまれる。
奇抜な服装でいかれぽんち腕白な可愛い若者。
何気に色々心揺れてるところも、なんだか幼いというか
知ったかぶってるけど、本当は何も知り得てなかったんだね、のような
うむ。
とことん凄味のある人物、ではないところが、彼の魅力ですかね。


本筋の内容と一緒に作者の思い出話なんかもぶっ込まれてたりして
とっ散らかって脱線して
脚フェチで
そんなところも面白い。
これを読んで、バイロンの「チャイルド・ハロルドの巡礼」に興味が湧いたよ。
だからバイロンの詩集をちょこっと齧ってみたけど
それに載ってたのが一部分過ぎて
僕の知りたかったことに関してはよく分からなかった・・・失敗!!
でもこんな風にして
あれとこれと〜って繋がり繋がって知ってったり読んでったりする
これが楽しいのだ。
洋楽のCDもそんな風に渡り歩いているもんね。


それ以外にも
作者の別の作品の主人公やら
あらゆる固有名詞が出てきて賑やかだ。
後ろに注釈があっていちいちご苦労な解説付きなのです。
これらを一つ一つ洗ってゆくぜってことはないのですが。
僕はそういう人間じゃないからなあ。
僕のような浅〜い浅〜いちらり読書好きではなく
文学大好き知識は深淵、自信も満々って人には
こういう情報量多いのは楽しいでしょうね!!
だって解説なしで理解できる方が
そりゃ〜遥かに滑らかに読み進めますし、文に納得もいきましょうし。


外国の不思議ってわけじゃあないのですが
日本でもあだ名って、本名より長くなったりしますから・・・。
しかし
タチヤーナがターニャなのに
オリガがオーレンカって
もう良いじゃんオリガはそのままで。
もう充分言い易いよ・・・。


こんな考え、栓なきことですが
オペラでのオネーギン役が、テノールだなんて・・・。
若いし可愛いのにテノールだなんて・・・。
ズボン役メゾソプラノにするわけにもゆかないのは分かるけど
惜しいなあ!!
っつーかもうオペラになっちゃったらそれ以前の問題で
可愛いも何もないよな、ぽちゃった壮年さんが演じたりするのだもの。
第一歌いまくってる時点で
原作とは違うんだからな。
そう、オペラは僕の空想とは別物なのである!!
僕の頭の中に産み落とされたオネーギンとは
他人のそら似どころか全くの別人!!
それがオペラだ!!
寧ろ邪念なく感動できる筈!!


短くてさっくり読める、僕に適した作品だった〜。
訳してくださった方のお陰ですね、感謝です。
恋の病で痩せ細っちゃったっぽいラスト付近のオネーギンも良いよ。
僕としては、そういう心の動き(特に色恋沙汰によるもの)はあまり好きじゃないのですが
(不遜な人は最後まで変わらずそうであってほしいし
キレた人は最後までキレたままで居てほしいし
仮に改心するとしても
ヒロインの純粋で暖かな心に触れてから〜とか
そういうのはどうにも嫌なのだ・・・げっそりしてしまうのだ・・・)
意外にもこのオネーギンの
タチヤーナへの執拗な付き纏いっぷりは
なんか可愛く思えたぜ。
哀れな感じが良かったのかなあ。
可哀想、と言いたくなるような姿が良かったのか?


これ読んで以降
お葱を見る度に、はっとする。


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