THETHE。。。NAKEDSELF

オリジナルとしては8年ぶりアルバムだったこちら。
おかしな暗黒街の風を従えて、奇妙なスナフキン似の笛吹きが
足取りも軽く歌い歩いてる感じです。
このアルバムしか持っていないのですが
是非とも別の作品も聴きたい、ああ〜聴きた〜い
そう考えながら月日の流れをただ傍観している僕なのでした。


ザ・ザなんて名前、一回聞いただけで記憶に残ってしまいますよね。
どんな輩なのかね、これでなんも普通〜な音楽性だったら、そんなの嘘ですぜ
そう思っておりましたが
嘘じゃなかった。
本作ネイキッドセルフで聴けたのは
うむ、ザ・ザ、だね!!
と親指を突き立ててにっこりしたくなるような内容。


全っ然、地味なのですけど、特異。
いとも自然に、最小限の派手さで、他から逸脱してみせてくれてます。


じわじわじゅくじゅく、滲み上がって来る音楽。
早速ですね。
1曲目のBOILINGPOINTで既に満開ザ・ザ。
左右の耳を悪戯に刺激する歌詞。
妖しく囁くような歌唱。
ちょっと、グニュウツールのふるふる氏の低音を思わせる声。
妖しい、妖しいぞ。
そして怪しい。
得体のしれない怪物が闇の切れ間からこちらを覗いてるみたい。


SHRUNKENMAN
砂と風の匂いがしそうなギターが爽やかさをプラスしてますが
一筋縄でいく筈もなく。
ただならぬカントリー。
しょんしょんしょん、と澄んだ鈴の音?が色々浄化してくれそうですが
実際はしてくれやしない。


SOULCATCHER
更に爽やかそうで、それなのにどことなくおかしな響きのあるメロディー。
さっきからどの曲も、歌詞がどんどん流れて行ってしまって
それがなんというか、どう表現すりゃ良いのか分かりませんが非常に不思議。
この曲も例外に漏れず。
この流暢さは何なのでしょう。


GLOBALEYES
これがサビかな?この
この
このくそ怪しい部分が。
陽気なサーカスの裏にある内緒の見世物小屋が、手招きしてるみたいです。
とにかく怖くて、一度見ればトラウマになるような光景がいっぱいでありましょうに
サーカス小屋から洩れて聞こえる音楽と
残酷な好奇心の所為で
もう一度行ってみたくなる、奇妙な場所。
という印象。


7曲目、SWINEFEVER
どんな前奏だよ。
これ、しかし素晴らしい。
ヒーホーハムですね。しめしめですね。
そんな歌いだしがしっくり。
凄い雰囲気。
「GONNA BUY GONNA-GONNA-GONNA BUY IT」
の流れ方が癖になります、好きだ、ああ、好きだ。
こんな面白い音楽を作ってくれる人が居るってだけで
この世をもっと好きになれる。
そしてこの発音の仕方がかっこいい、捨て放つような歌い方の部分も
吐息混じりな部分も
お洒落だ、かっこいい〜。
マット・ジョンソンはお洒落紳士なのか?


WEATHERBELLE
眠らせたいのか、眠れなくさせたいのか。
ゆったり、どんより、びよんびよん。
案山子頭の指揮者が、ぼろけた燕尾服で、こちらへ振り向いている気がする。
不気味だけど優しい笑みを浮かべて。
お、自分の今の発言で
ミスティックアークまぼろし劇場を思い出したぞ。


10曲目、VOIDYNUMBNESS
「CAN'T LOVE〜」で始まる歌いだしがかっこいいのです。
かっこいいの一言に尽きますね〜。
あのシャウト?は不穏です。
外国語に許された素晴らしい発音をこれでもかってほどに発揮して
そしてあのサビは
あれをかっこいいと言わずして何をそう形容しようと言うのですか!!
仮に、何か映画を撮ったなら
そのサントラに是非とも参加して欲しい
存在自体がかっこいい音楽、とはこれだ。


ラスト、SALTWATER
お別れですね。
そうとも分からないような激しさで。
く〜ぅぅ、寂しいぜ。
最期の曲が塩水かよ。
まるでボーナストラックのようにぶっ込まれてる感じが粋です。
この手前のくそ穏やかな曲、あのままで終わらなくて良かった。
僕、バラードの後に元気な曲が来て終わったりするの、好きなのです。
レディオヘッドのザ・ベンズの終わり方とか
スキッド・ロウのスレイヴ・トゥ・ザ・グラインドの終わり方とか
非常に好ましい!!


終わって欲しくないダークファンタジーの世界に居たような感覚です。
気持ちの悪い植物や可愛くない精霊や
奇抜な空の色
なのに愛しい、帰りたくない世界。
子供たちを虜にしてしまうのはいつだって、ちょっぴり気味の悪いものですから
これはおとぎの国の招待状のような音楽。


のページへ                                                                                                     トップページへ