THE FIELDS

今回5枚ほど借りた映画はどれも良かった!!僕は幸福を感じた!!
で、その内の一つがこちら。
多くを語るのは難しいですが、雰囲気が極上の作品。


物語の進展はゆっくり、というか進展してんのか??といった風で
ただ最初からずっと不穏な雰囲気。


主人公のスティーヴン少年は、昔の宗教画に描かれてそうな髪くりくりの坊やで
両親の不仲(妻の浮気にキレた旦那が銃口を!!)を目撃しますが
だからといって恐ろしく殻に閉じこもったりってわけでもなく、ゴジラが好きな普通の子。
夫婦間がごたごたしてる為、お爺ちゃんとお婆ちゃん宅に預けられます。
とうもろこし畑には入るなとお婆ちゃんにごりごり念を押されますが
入るなってつまり、入れって事、ですよね!!
案の定、女性の死体を発見してびびりまくります。
死体が出たんだから話はここから加速してくだろ〜と思いきや
そうでもない。
徐々に、緩やかに緩やかに壊れてゆく少年の日常。
チャールズ・マンソンのニュース
お婆ちゃんが観るホラー映画
貯金箱の視線
牧場で働く怪しげな(のに普通に知り合いだった)男
妙にハイなヒッピー
行方不明の女性のポスター
とうもろこし畑の向こうの廃遊園地
不気味な兄弟?の居る家に昔、パパも一緒に暮らしてたの?
そうして奇妙な事(嫌がらせ?)が起こり始めた。
お爺ちゃんお婆ちゃん宅が何者かに襲撃されだした!!
窓硝子ばりばりに割られまくんのって地味に怖いし面倒だし弁償しろよな!!全く・・・
子供の身に危険が迫っているとなると、パパも本気で、ママと話し合おうと考えるのでした。
パパが何気に良いパパなのですよ。
銃の件は、まあ、キレちゃったんですよね、単純に。
基本、良いパパ。
飲んでばかりのママにがつんと言ってやる場面にはちょっと、やったぜ!!感がありました、ふっふっふ。
静かに展開して来た物語も遂にクライマックス。
家を襲撃しまくりやがった犯人を車で追うスティーヴンファミリー。
犯人は牧場へ。
恐る恐る後を追うと、犯人と思われる男が首を吊っておりました。
あの怪しげなのに普通に知り合いだった牧場の男でした。
ポリ来る。
とうもろこし畑の死体見付かる、行方不明の女性と判明、今回の事件とも関連ありそう、等々。
取敢えずスティーヴンにとっての事件は解決。
両親もどうやらこれを機にうまくいきそう・・・かな〜う〜ん当分は。
さあ、帰らなければ。


1973年に実際にあった事件を基にしているそうです。
物語は静かに終わってゆきますが
事件の全容はよく分からないまま、真相は殆ど霧の中、何もかも曖昧なまま。
最初から最後までただならぬ空気を帯びて何処か普通じゃない。
そして子供なら何人でも飲み込んでしまいそうな背の高いとうもろこし畑。
僕はとうもろこし畑には入った事あないのですが
向こうまで見通せなくなる、視界の奥行きが狭くなる、というのはこれが結構怖いのですよね。
で、お約束ですが
誰も居ないと思っていた壁の向こうから、投げた物が投げ返されると、怖い。
怖いというか気になってしまいます。


不穏な日々(本編)の中で
スティーブンの子供らしさ(両親の仲直りを願う、フィギュア遊び、肌の黒い人にびびる)や
口五月蠅いけれど孫と旦那を大切にするお婆ちゃんの優しさ
普段はお茶目で可愛いのに、いざとなると銃ぶっ放すお爺ちゃんの男らしさが暖かいです。
その暖かみが絶妙なスパイスとなって効いております。


スティーヴンのママのおとん、ポリなんですけど
くそ野郎です。


この作品から滲み出る、70年代って特殊な時代、そして田舎特有の(広い筈なのに漂う)閉塞感。
まるで子供の視点に還り
とうもろこし畑を目の前に眺めているような、不思議な好奇心と恐怖心が、そこに在りました。


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