カッコーの巣の上で。。。ONE FLEW OVER THE CUCKOO’S NEST

これは・・・!!
またしても名画を観てしまった!!
始まりからおしまい迄、退屈な瞬間が全く訪れなかった!!素晴らしい!!
エンターテイメントとして、物語として、映画として、非の打ちどころの無い作品でありました。


なんでこのタイトルなの?
本当かどうかは分かりませんが、らしい、のお話。
え〜と外国では精神病院を蔑みの意を込めて、カッコーの巣、と呼ぶんだそうです。
あともう一説。
マザーグースから由来しているのだとか・・・。
本当かどうかは謎ですが、時計じかけのオレンジ然り、意味の分からんタイトルは惹かれます。
内容が良ければ尚更、です。


ジャック・ニコルソン扮するマクマーフィは、暴行で捕まり更生農場へと送られるのですが労働なんてやりたかねぇ〜。
乱暴な態度の為、精神病院へ移送されます。
専門家達は、労働逃れの為の演技なのでは?と疑いまして、暫く様子を見てみよか〜って事になります。
さてさて、手錠も外され喜ぶマクマーフィですが
精神病院なので、居る人々はやっぱし皆、ちょっと変・・・?
というより此処は何なんだ?!
婦長の決めた絶対的カリキュラムに支配された世界だ、いやんなっちゃうよもぅ!!
婦長は・・・良かれと思ってやっている事でしょうし、自らを信じ真っ直ぐと言えばそうなのですが
しかし患者達はその人間性を奪われつつあり
ちっとも異常の無いマクマーフィからすると、有り得ないなんじゃこりゃぁぁぁぁ〜。
自分らしさ人間らしさを失わず、破天荒とも思えるマクマーフィの行動に、患者達も心を取り戻し始めます。
びっくりなのですが
実は、マクマーフィとチーフテイバー等の数人と末期患者以外は
自主入院
信じられなぁぁぁぁいどうなっちゃってんの・・・?
マクマーフィは、同じくどうやら異常の無さそうなチーフと心を通わせ、此処から出ようと考えます。
カナダへ!!
クリスマスの聖なる夜に出発だ!!
女の子とお酒で最後の宴会、レッツ・パーティ。
大騒ぎ。
そして別れの時。
院内一の色男、硝子のハートのビリーはなんと、マクマーフィのお友達であるキャンディに恋しちゃってました、ひゅ〜ひゅ〜。
一緒に行くには心の準備が・・・と言う彼の為に
個室で二人で楽しみなさ〜い、皆もわくわく、中2の男子か!!
つい、うとうと。
はっ!!気付けば朝!!
散らかしに散らかしちゃったからな〜相当やばいぞぉぉぉぉ。
しかもビリーは素っ裸で女と寝てるし。
一人前の男になって仲間達から拍手を浴びるビリー、照れ。
しかし婦長は静かに怒りをぶつけます。
こゆ時、その矛先は最も弱い者へと向けられてしまう物です。
女性を連れ込んだ事を母親に言うと脅されたビリーは、自ら首をかっ切って死んでしまうのでした。
壮絶。
ブチ切れたマクマーフィは婦長の首を絞め(婦長死ななかったけど)
あぁ、なんてこった
彼は廃人にされてしまうのです、危険だからね。
彼とカナダへ行く筈だったチーフは、彼をそのまま置いて行かず、永遠の安らぎを与えた後
不可能を可能にして、外の世界へと走り去るのでした。


マクマーフィは、その気になりゃ一人でいつでも出て行けたんです。
頭と女の子を使えば、いつでも。
結局、彼って、良い奴だったんです、きっと。
放っておけなかったのでしょう。
患者達が彼に惹かれていくのと同じように、僕もまた彼に惹かれていました。


レクリエーション用のバスをジャックして、皆に釣りを教えた時なんて
僕は楽しくて一緒に盛り上がってしまいました。
何をするにも騒ぎっ放しの、子供みたいな大人達。


ワールドシリーズが観たいのに、多数決で勝ったにも拘らず、テレビを点けてくれなかった婦長に対して
何も映し出されていないテレビを見ながら野球の実況をするマクマーフィ。
熱の籠った彼の実況に、興奮し、盛り上がる患者達。
彼には、大衆を導くカリスマ性のような物がありました。
何もかも決められた窮屈な世界で暮らしていた皆には、彼がとても眩しく映ったのでしょう。


クリスマスの夜に、ビリーの情事が済むまで待っているマクマーフィの表情。
アカデミーゴールデングローブを征した、ナ〜イス演技。


主人公のマクマーフィは、専門家達からするとマジに若干病気なのだそうです。
社会に適応できないとかそっち系の。
でも何処からが病気で何処までは違うのでしょうね?
適応能力で言うと・・・じゃぁまさかだけど僕だって病気に近いのでは?
この、マクマーフィは実際どうなのかって事について、監督達は特にコメントしておらず、真実は闇の中。
しかし僕が思うに
人間誰しも何かしら病気だ。


シビアで重くなりがちなテーマを、これだけ楽しく見れちゃうとは!!おっどろき〜っす。
楽しかったからこそ、ラストは非常に感動的で
過度の演出が無いにも拘らず、印象的で、胸が熱くなります。


ビリーが死んじまった時は
なんとなく、そんな事になりそうだなと思いつつもまさかって感じで、悲しくて、おぉぉぉ〜。
俳優さんの演技がリアルで、仕草一つ一つがビリーという人物を、繊細さを、物語っていました。
目の動き、表情の変化するタイミング、お見事。
でもだからって、彼がチャイルドプレイチャッキーの声だとか言われても、わっかんねぇぜ!!


ピュアなチーフ。
ひょっとしたら彼こそが、マクマーフィに最も影響され、良い意味で変化した人物だったかも。
最後、出て行くしな。
何も聞こえてない振りで、医者達をも欺き続けていた彼が
マクマーフィにだけ心を許し、声を発したシーン、其処で
マクマーフィと共に僕も、おいおいおいおいおいおいたまげた役者だぜぇぇ!!と嬉しくなってしまいました。
何気にこの物語の核とも言える役どころ。
唯一、脱出するのですから。


ギョロ目が可愛いテイバーを演じているのは、クリストファー・ロイド
バック・トゥ・ザ・ヒューチャ―ドクです。
この俳優さんの演技は、狂気をも感じさせる愛らしさで、堪らん。
テイバーの性格がまた悪戯っ子っぽくて、居るよねこゆ奴〜!!って感じで楽しかったです。


他にも、踊り続ける爺さん等、魅力的な患者達がいっぱい!!


さてさて
僕は、映画は映画として楽しむ人間なので、余り深くは考えない(ようにしている)のですが
自主入院の患者達について。
彼等は、出ようと思えばいつでも出れる状況に居て、何故、留まり続けるのか。
それは当事者達にしか分からない事ですが
外界から隔離されていたい、不自由であっても、と思うほどの理由があるのですよね、どうやら。
外の世界への絶望、失望、恐怖、疑心、若しくは
もっと単純に、適応できなかった、って事実。
色々あるからな、生きてると。


僕は、コミュニケーション下手で、人間が苦手ではあるけど、人間が嫌いな訳ではない。
この映画のメイン人物達も、人間嫌いではなさそうだった。
色々あるからな。
婦長の言うとおり、話しあう事によって解決する事もあるだろうけど
そんな簡単に解決する筈も無い事のが多い気がします。
というか、解決は必要無いようにも思う。
僕は、心底本気で自分が嫌いだけど、同じくらい自分が好きだ。
って言うときっしょいし、ちょっと引くけど、でも何故かそうなんだからしょうがないじゃないか。
人間関係は良好じゃないし、人と喋るのは恐ろしいし
なんかもう〜なんもしたくねぇぇぇぇぇぇ!!
一つも上手くいかない人生だな俺の人生はぁぁぁ!!
全部いやんなっちゃったぜ!!
ってよく思うけど
僕は基本ポジティヴだし、映画とか音楽とか好きな事がいっぱいあるし
絵ぇ描いてればハッピーになるので
幸福野郎なのである。


因みに僕は
自分より大変な人が居るんだから!!って理由で自身を励ますのは好きじゃないです。
それは例えば
紛争の中を生きる子供達や
明日の食べ物にも困るような激貧の国に暮らす人々や
彼等と比べりゃ大体の悩みはカスですよ。
逆に彼等の方が、微かな幸せに瞳を輝かせ、命の大切さを知っている、うん、そうさ、だけどだからって
僕等の悩みはカスなのか?
確かに、今思えばあの頃はどうしてあんな下らない事で悩んでいたんだろ〜??って事は多い。
でも当時の自分は、胸が張り裂けそうなくらい悲しかったり
辛かったじゃないか!!
下らないけど、必死なのだ。
カスみたいな悩みを抱えて、すぐに傷ついて落ち込んで、それでも
生きるのが嫌にならなければ
悩んだって良いじゃない、人間だもの。


話が脱線しまくって訳が分かりませんが
え〜とつまり、この映画は良い。
社会派の映画を毛嫌いしている、又は、好きじゃないって人でも楽しめそうです。
楽しめなかったらすいません。
面白くて微笑ましくて、ラストは如何にも映画らしい。
リアルであると同時に、喜劇のよう。
しかし実は恐ろしい。
人間の持つ尊厳だとか難しいテーマをエンターテイメントとして昇華させた秀作。


古い映画独特の、音の無いエンドロールがまた素敵。


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